印刷物とWebのデザインの違い
このところ印刷物をメインにお仕事をされていた会社の方とやりとりをする機会が増えています。
その中で、印刷物とWebのデザインの違いというのを大きく感じています。
私は趣味でフットサルをやっているのですがが、フットサルとサッカーは似ているようで、ルールも、人数も、戦略も違う別のスポーツで、もちろん共通点も多いのですが、全く同じようにプレーできるかといえば、そうはいかないスポーツです。
それと同じように、Webと印刷物のデザインも似ていますが、同じルールで行うことはできません。
印刷物とWebのデザインの違い
- Webは操作が発生するため、ページごとに異なるリンクカラーを使ったり、ページごとにナビゲーションが変わると使いづらくなります。
- 最近のWebは様々なデバイスでアクセスされるため、固定された見た目を持ちません。レスポンシブWebデザインなどでデバイスごとに見た目が違うことが一般的です。
2013年時点でインターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数は約158億個あるそうで、さまざまな環境で見ることができるようにデザインをしなければなりません。 - Webは通信が発生するため「重さ」というものが存在します。デザインをする際もページの重さを気にしないといけません。
- WebデザインはCSSで実装されており、最近ではモジュール化されたパーツを利用したデザインを行うことが主流となってきています。より管理しやすいソースで、汎用的に使えるような作り方がされるようになってきました。
- 「コンテンツイズキング」という言葉が有名ですが、人々はコンテンツを見にサイトにアクセスします。コンテンツが見やすいように、コンテンツまでにスムーズにアクセスできるようにするのがWebデザインの大きな役割です。
- 現代ではインターネットは生活の中に密着しています。そのためスピードが求められます。モジュール化されたデザインが広まった理由にも繋がると思うのですが、情報を出すスピードが求められています。更新しやすく、早いスピードで情報を公開できる仕組みが求められることが多いのがWebデザインです。
印刷物のデザインを手がけている方からすると、重さを気にしたり、モジュール化、コンテンツイズキングなど、Webのデザインのルールって面白味にかけるのでは?ともしかすると思われるかもしれません。
Webのデザインはユーザーの回遊率を上げたり、いかにコンバージョンに繋げるか、ユーザーにタスクを無事完了してもらうにはどうすればいいかを考える仕事でもあります。情報伝達とユーザビリティ、そしてコンテンツの中身とその見せ方がとても重要だったりします。
もちろん見た目の雰囲気も大切な要素です。
Webデザインの面白味は、印刷物のように素敵な見た目を提供する以上に、いかに使ってもらうか考えることと、そして考えた結果、ユーザーの反応がダイレクトにわかるところ、また改善しながら育てるメディアであるところなのかなと思います。
もともとデザインが好きで、グラフィックデザイナーに憧れてデザインの仕事に就いた私ですが、今ではすっかりWebのデザイン、Web制作の面白さに魅了されています。
よいサイトとは?を常に問いかけながら制作を行っていますが、まだまだ学ぶことが多いです。デザイン以外の部分で多くを学ばなければいけないことが多いのがWebデザインで、そこがまた魅力なのかもしれません。
もちろん印刷物のデザインも奥が深いもので、どちらも学ぶことが多く、面白い仕事であることは間違いありません。